2014年11月29日土曜日

根来塗りとの 出会い

こんにちは 北市漆器店スタッフ Hiroko KITAICHI です。

私が 初めて 根来塗りに出会ったのは

まだ 中学生だった頃 ・・・

父に連れられて 金沢の尾張町に住まいされる ある 古美術に造詣の深い

N先生の所へ お尋ねしたときのことでした・・・

小さなお茶室で お茶をご馳走になりながら

様々な古美術品のお話をして下さいました・・・

その時に 先生が出された 根来塗りのお盆に目を奪われました・・・

「これはね 元々は朱色のお盆やったんや・・・

それを ようよう使っているうちに 表面の朱色の漆が研ぎ出されて

下塗りの黒い漆がところどころみえてくる

それがまた 美しい味わいのある風景になるんや・・・」

という 内容のものだったと思います。



【根来塗り】とは 

もともとは 鎌倉時代 紀伊国根来寺(和歌山県岩出市) 新義真言宗の僧侶が、

寺内で使用する什器のために制作した 朱色の漆器でした

表面の朱漆が摩滅して 下地に塗られた黒漆が所々露出し模様に見える

これを人為的に再現した塗り方を 現在では 【根来塗り】と一般的に云います。






根来塗りとは逆に

朱色の下塗りをした上から 黒色の漆を塗って研ぎ出したもの・・・

を【曙塗り】といいます。

闇から 光がさすように見えることから・・・ と云われています。


どちらも 生活に根づいた 美しい漆器です・・・


根来塗りと 曙塗りの器を見るたびに

初めて私に漆器の知識を下さった N先生と父のことを思い出します。
アメーバーブログ エルさんの http://ameblo.jp/tatuyuta/しあわせな器たち
老舗漆器屋の女将が漆器の新しい使い方・楽しみ方・可能性のご提案をさせていただいています。四季折々の地域での交流を織り交ぜながら・・・

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